幾分か白んだ空に 細長い月がかかっている
雀が ちぱちぱと舞う
顔を上げて 太陽の弾き出すものを一身に浴びて
あくびをした
目を開けるとそこには 新聞配達員が立っていた
寝間着姿の私に 「おはよう」を言い
丁寧に折りたたまれた新聞を差し出した
私は 「おはようございます」を返して
インクと太陽のにおいの入り混じった 真新しい新聞を受け取った
まじまじとそれを見ていると いつのまにか配達人は消えていた
(次の配達先に行ったのだろう)
そして また ふわりとあくびをしてから向きを変え 家の扉を開ける
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